「まずは自分たちが癒されること。楽しむこと。」がモットー!子育ての現役×先輩「2つの想い」が出会って誕生した、それは地域の奇跡の居場所。
「子どもたちのためにできること」を考えていた2つのチームが合体!地域で初めてのこども食堂が誕生。
――こども食堂が立ち上がった経緯を教えてください。
髙木さん:自分の身近にいた悩みを抱える子どもを目の当たりにして、「何か助けになれないか?」と思い、こども食堂の立ち上げを考えるようになりました。家庭の事情や受験のプレッシャーで心身の不調を訴える子どもたちに出会うたびに自分一人ではやれることに限りがあるけれど、こども食堂という団体であれば、より多くの子どもに寄り添えるのではないかと思ったんです。
児玉さん:私たちは子育てがひと段落したおばあちゃん世代として「食事を提供して、子ども達や地域のみんなが気軽に集まれる拠り所をつくりたい」と考えていました。市議会議員の方から「同じ地域で、立ち上げを考えている人がいる」と紹介され、髙木さん達と出会いました。別々にやるより一緒に活動した方が地域にとってもいいのでは?ということで合体することになりました。現在主要メンバーは7名。それに加え、毎回ボランティアの皆さんにサポートしていただいています。
岡田さん:私は髙木さんに誘われて参加したのですが、阿部さんは私の息子と娘が幼稚園でお世話になった先生で、まさかこんな形で再会し一緒に活動できるとは思いませんでした。縁って繋がっているんですね。
阿部さん:それぞれの得意分野を活かしながら今とてもいい形で活動ができています。

―すごいご縁ですね!まさに子育て真っ最中のメンバーが、地域の育児に寄り添いつつ、子育てがひと段落した先輩メンバーがそれを受け止めてくれる。そんな関係性がとても素敵ですね。今、運営はどのように分担されているのですか?
髙木さん: 丁度いい具合に、それぞれの得意分野がぴったり合ったので、分担しています。例えば、私は仕事の関係上、書類作成やパソコン操作が得意なため、申請書や報告書などの事務作業を主に担当しています。
児玉さん:私は栄養士と調理師の免許があり、若い頃は給食調理をしていたため、調理と献立を担当しています。大量に調理することに抵抗がないので、すんなりと取り組めています。1回の開催で大体4ターン作っていますが、調理はボランティアさんにも手伝っていただき、みんなで分担して作っています。
髙木さん:児玉さんのお料理は毎回おいしくて。初めはこども食堂の「食事の味」に期待をせずに来る方が多かったのですが、食べ終えると皆さん「めっちゃおいしかった!」と言ってくださいます。一品一品が本当においしいので、リピーターが多いんですよ。
児玉さん:岡田さんは、掃除や準備がすごいんですよね。みんなうまく役割分担ができています。
――みなさんそれぞれの強みが活かされていて、実はすごい人たちが集まったのですね!細川町で初めてのこども食堂の立ち上げに対して、地域の方の反応はいかがでしたか?
髙木さん:市議会議員さんが音頭をとってくださり、細川町の総代さん8人をお招きして、3回くらいプレゼンをしましたが難しかったです。
児玉さん:地域で初めてということもあり、「こども食堂」自体をよく知らなくて、偏ったイメージを持たれていました。「ホームレスの方が来てしまうんじゃないか?」などと言われて、初回は惨敗でしたね。
髙木さん:ただ、私たちを応援してくださっていた市議会議員さんの後押しもあって、最終的に「とりあえず1回始めてみて、それから判断しよう」と言っていただけて、そこから一年続けてこれました。
児玉さん:今はだいぶ受け入れてくださっているなと変化を肌で感じています。
――立ち上げが決まり、初回はどのように集客を始めたのでしょうか?
髙木さん:一年前は毎月回覧板にチラシを入れ、公民館や公園の掲示板にも掲示して。阿部さんが主任児童委員をされていて小学校との繋がりもあったので、小学校でも配布していただけました。初回はプレオープンという位置づけで家族や町内会関係者を招待して、80人ぐらいでした。グランドオープン以降はどんどん増えていきました。



――1年が経ち、住民の方たちの反応はどうですか?
髙木さん:当初は未就学児連れのお母さんや、小学生が多かったのですが、次第にお父さんも来るようになり、最近ではおじいちゃん・おばあちゃんと一緒に三世代でいらっしゃる家庭もあります。また毎回一人で見える高齢の男性もいます。孤立しているお母さんの声を拾って、子ども服や学用品の「おゆずり会」を行うなど、色々な方が集う場所として機能し始めたと感じています。1年が経ち「地域が元気になってきている」と実感しています。
児玉さん:この辺りには農家が多いので、お米や野菜を寄付していただくこともあって。応援の気持ちが嬉しいですね。またボランティアとして関わってくださる方も増えて、輪が広がっています。
――二つの想いから始まったこども食堂は、児玉さんが最初に目指していたような「地域の拠り所」になっていますね。髙木さんのこども食堂の立ち上げのきっかけとなったお子さんも来てくれているのですか?
髙木さん:はい。「この子のために」と思ったお友達は今もずっと見守っているのですが、こども食堂のお手伝いにも来てくれたり、この間のお祭りも一緒に盛り上げてくれたりと、素晴らしい変化を遂げています。
他にも「夏休みの作文の宿題にこども食堂のことを書いたよ」と言ってくれた子が三人ぐらいいたり、自分のお小遣いを募金箱に毎回入れてくれる子もいます。「感謝の気持ちを返したい」という気持ちを何らかの形で行動に移してくれていて。ここでの経験を通して、こどもたちの心が成長していることを感じます。嬉しいですね。



良いバランスをもった「七つの星」のような7人で、いつまでも楽しく続けていきたい。
――こども食堂を運営する上で、大切にしていることは何ですか?
児玉さん:来てくれる人を楽しませたり癒したりするには「まず私たち自身が、心から楽しむこと」が大事だと思っています。
髙木さん: そうですね。最初は、子どもたちに気持ちが向いていたんですけど、今は「大人の部活」みたいな感覚で、楽しく活動しています。お手伝いしている人たちが輝いている。ボランティアに来てくださる方達もみんな「楽しかった~!」って言って帰られます。自画自賛ですが、すごく良いこども食堂だなって感じています。
阿部さん:みんな笑って参加しているので、その姿を見て「すごく楽しそうだね」って言われますね。
髙木さん:いつも開催前にスタッフみんなで「今日も一日頑張ろう!」と円陣を組むのですが、初めて参加したシニアボランティアの方が「久しぶりに胸が熱くなりました」と感動されていました。シニアの方の居場所や活力としてもお役に立てているのかなと、私たちも嬉しくなりました。


――運営の秘訣は自分たちが楽しむこと。そしてそれが周りに伝播していっている様子が、とても素敵ですね。最後に、今後どんな「こども食堂」にしていきたいですか?
阿部さん:昔は子ども会がありましたが、今は続々と子ども会が消滅して、地域での子ども同士のつながりが希薄になっています。子ども会の代わりとしても、こども同士でこども食堂に、どんどん遊びに来てほしいですね。この先、何年か何十年か過ぎた時にも、顔を出してくれたら嬉しいです。そして何より、私達も元気で、いつまでも長続きできるこども食堂でありたい。長い目でずっと成長を見守っていきたいと思っています。
児玉さん:私たち7人は結束力がすごくあって「七つの星」だなって、いつも思っているんですね。一つでも欠けたら変な形になってしまう。良いバランスを持った7人で、ずっとあり続けたいですね。
